鑑定評価

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 ぶんぶんの進路歳時記様の
多治見市の修道院に行ってきた
古代DNA-日本人のきた道-@名古屋市科学館2025
針テラスで休憩してきた
 をご覧下さい。最初の多治見市の修道院、現地を訪ね実物に接する、つまり「資料にふれる」、こうした体験が歴史への理解を深めるのです。関東圏ならカトリック吉祥寺教会というものがあります。吉祥寺に寄ったついでにどうぞ。
 名古屋市科学館は古代DNAがテーマですが、皆さんの身の回りでも博物館、郷土資料館などがあるでしょう。海外でもハワイのオアフ島に旅行の際にアリゾナ記念館に立ち寄るとか…
 道の駅も、考察すると面白いです。北海道札幌市にある札幌ドームも、日本ハムが北広島市に拠点を移したり… やはりハコモノは維持・管理が大変です。
 ぶんぶんの進路歳時記様、ありがとうございます。

 今回のテーマは、鑑定評価です。鑑定評価基準等は国土交通省HPから入手できます。
 国土交通省様、ありがとうございます。

目次

鑑定評価の基本事項

 不動産 (土地・建物)の鑑定評価を行うにあたっては、まず、鑑定評価の対象 (WHAT) となる土地・建物及び対象となる権利を確定 (WHERE、何処に?)しなければなりません。
 東金市滝沢 埋もれた廃分譲地(物理)をご覧下さい。どこに分譲地があるのか特定できない放棄分譲地は結構存在するようです。
 限界ニュータウン探訪記様、ありがとうございます。

 不動産の価格 (HOW MUCH) は、その判定の基準となった日 (WHEN) においてのみ妥当とします。その基準日を「価格時点」と言います。
 「限界ニュータウン」オーナーを狙う、ナゾの業者の正体をご覧下さい。今日鑑定評価するなら今日の年月日が価格時点です。昔に購入した時点ではありません。原野商法に引っ掛かった場合、おそらく不動産価格は暴落していることでしょう。そして現在の所有者 (WHO) は、新買主か、相続人です。現在の土地の資産価値が0円なのに、所有者に対して「水道管を敷設して資産価値を高めましょう、初期費用○○万円掛かりますが…」という業者が存在するというお話です。
 楽待不動産様、ありがとうございます。

 限界ニュータウンとなっている土地は、当時の価格でも相当高いものだったと思いますが、購入する背景には、どのようなことがあったのでしょう。山川出版社様の詳説日本史Bには次の表が記載されていました。 (p392)

特需契約高(単位 : 千ドル)
  物資 サービス 合計
第1年(1950.6~51.5) 229,995 98,927 328,922
第2年(1951.6~52.5) 235,851 79,767 315,618
第3年(1952.6~53.5) 305,543 186,785 492,328
第4年(1953.6~54.5) 124,700 107,740 295,610
第5年(1954.6~55.5) 78,516 107,740 186,256
累計 974,605 644,129 1,618,734

 上の表では、朝鮮特需が1950 (昭和25) 年6月からの5年間で増額16億1900万ドルに達したこと、当初は物資が多かったが、次第にサービスが物資を上回るようになったことが読み取れます。山川出版社様の詳説日本史Bには次の表が記載されていました。 (p392)

主な物資・サービスの契約高
(1950年6月~56年6月、単位 : 千ドル)
  物資 サービス
1 兵器     148,489 建物の建設  107,641
2 石炭     104,384 自動車修理   83,036
3 麻袋     33,700 荷役・倉庫   75,923
4 自動車部品   31,105 電信・電話   71,210
5 綿布     29,567 機械修理    48,217

 物資では兵器・石炭、サービスでは建物の建設、自動車修理などが上位を占めています。山川出版社様の詳説日本史Bには次の表が記載されていました。 (p392)

主要物資の年別契約順位
順位 第1年
(1950.6~51.5)
第2年
(1951.6~52.5)
第3年
(1952.6~53.5)
第4年
(1953.6~54.5)
第5年
(1954.6~55.5)
1 トラック 自動車部品 兵器 兵器 兵器
2 綿布 石炭 石炭 石炭 石炭
3 毛布 綿布 麻袋 食糧品 食糧品
4 建築鋼材 ドラム缶 有刺鉄線 家具 家具
5 麻袋 麻袋 セメント 乾電池 セメント

 1953年6月から食糧品、家具が躍り出てきました。1955年 (昭和30) 年における総理府の世論調査によると国民の7割が「食べる心配」がなくなったと答えており、食糧不足はほぼ解消されました。
 1960 (昭和35) 年には「貿易為替自由化大綱」を決定し、1963 (昭和38) 年にはGATT11条国に移行、1964 (昭和39) 年にはIMF8条国に移行するとともにOECD (経済協力開発機構) に加盟しました。東京オリンピックの年ですね。先進国の仲間入りを果たした訳です。これらに先立ち1962 (昭和37) 年に新産業都市建設促進法を公布するとともに、全国総合開発計画を閣議決定したのです。この計画は拠点開発方式で、開発拠点として道央・八戸・仙台湾・富山高岡・岡山県南・徳島・大分など15地区が指定されました。このように太平洋ベルト地帯へ工業を集中させないアイデアは、後の田中角榮氏の「日本列島🗾改造論」にも通ずる所がありました。それにも関わらず、太平洋ベルト地帯への工業の集中はその後も進行しました。
 農村では、大都市への人口流出が激しくなり、農業人口が減少し兼業農家が増加しました。山川出版社様の詳説日本史Bには次の表が記載されていました。 (p396)

食糧自給率 (単位 : % 『食料需給に関する基礎統計』『食料需給表』より)
年度 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005
110 102 95 106 110 100 107 100 104 95 95
小麦 41 39 28 9 4 10 14 15 7 11 14
大豆 41 28 11 4 4 4 5 5 2 5 5
野菜 100 100 100 99 99 97 95 91 85 82 79
果実 104 100 90 84 84 81 77 63 49 44 41
牛乳及び乳製品 90 89 86 89 81 82 85 78 72 68 68
肉類
(肉類のうち牛肉)
100
(99)
93
(96)
93
(95)
89
(90)
76
(81)
80
(72)
81
(72)
70
(51)
57
(39)
52
(34)
54
(43)
砂糖類 18 31 22 15 27 33 32 31 29 34
魚介類 107 108 100 102 99 97 93 79 57 53 50
供給熱量自給率 88 79 73 60 54 53 53 48 43 40 40

 日本史Bは、[歴史の考察]を学習するよう求められていました。一方、日本史Aは、[歴史と生活]を学習するよう求められていました。教師でないので分からないのですが、日本史Bの文献資料 (資料を読む)、画像資料 (資料に触れる)、民俗芸能資料… など授業で消化しようにも物理的に時間が足らないのは明らかでしょう。

 さて、上の表から食料自給率は、1990 (平成2) 年以降に50%を切ったことが読み取れますね。確認してみて下さい。
 不動産登記法~許可情報の添付で出てきた農地法は1952 (昭和27) 年に出来た法律です。農地や採草放牧地が荒廃したら…

[問題1]
 農地法 (以下この問において「法」という。) に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 市街化区域内の農地を宅地とする目的で権利を取得する場合は、あらかじめ農業委員会に届出をすれば法5条の許可は不要である。
2 遺産分割により農地を取得することとなった場合、法第3条第1項の許可を受ける必要がある。
3 法第2条第3項の農地適格法人の要件を満たしていない株式会社は、耕作目的で農地を借り入れることはできない。
4 雑種地を開墾し耕作している土地でも、登記簿上の地目が雑種地である場合は、法の適用を受ける農地に当たらない。 (宅建士問題 平成30年-22)
[解答] 1
1 ○
 市街化区域内 → 農業委員会への届出で、5条許可不要です。 (農地法5条)
 これは「取得」のお話です。登記簿で土地の地目を変更するには、不動産登記法~表題部で取り上げた土地の表題部の変更になりますから、土地家屋調査士さんに測量やらなんやら頼むことになります。「原野商法」二次被害詐欺師は「測量しないと売れません。調査の初期費用として○○万円かかります。」とか言ってくる訳です。
2 ✕
 遺産分割の場合、3条許可は不要 (農地法3条)
 許可は不要なのは「農業後継者」だからです。しかし、遅滞なく、農業委員会に届出を。
3 ✕
 使用貸借・賃貸借 → 農地所有適格法人以外の法人も農地等の使用可能 (農地法3条)
 ただし、借りた法人が継続的に営農するかは不確実です。そこで、使用貸借又は賃貸借が行われる場合は、契約に当たり次のような文言を書面に入れることになっています。

 ・・・
権利取得後に営農をしていないと認められるときは、本契約を解除するものとする。
 ・・・

 使用貸借については、賃貸借~終了・中途解約・更新・敷金の「民法622条 使用貸借の規定の準用」をご覧下さい。上の文言は中途解約規定に当たりますから「言った言わない」のトラブルを避けるため、契約書に書いて置きなさいということです。
 賃貸借については、借地借家法~その1(借地関係①)の「借地借家法3条 借地権の存続期間」をご覧下さい。家🏠️を建てる場合は借地借家法が適用されて原則30年、駐車場🅿️、資材置場としてなら50年です。かなり長期にわたり農地が農地以外として使われるのを防ぐために農地法の「許可制度」があるのです。
 許可が下りない場合もありますが、農地を農地のまま使用するなら、法人の業務執行役員等の1人以上が常時営農に従事すること、などの一定の要件をみたせば、農地所有適格法人でなくても農地を借りられるのです。
4 ✕
 農地か否かは現況判断、現況が農地であれば「農地」 (農地法2条)
 今度は不動産登記法との関係についてです。
 Wikipediaによりますと「雑種地(ざっしゅち)とは不動産登記規則第99条により23種類に区分して定める地目の種類の一つ。他の22種類に該当しない土地が雑種地となる。
 例えば、資材置場や駐車場、土地の面積に対し極めて小さい建物が建っている土地等が該当するが、不動産登記においては土地の状況が雑種地として認められるかどうか、登記可能かどうかが難しい部分もある。
 公租公課等の課税の面から見た場合、宅地でもないのに課税される金額が高い場合もある。これは宅地の中に混在するような駐車場や資材置場等は、付近の宅地を基に計算した価格から、その土地を宅地として利用するために必要な造成費相当額を差し引いた評価となるケースもあるためである。」とあります。この最後の「付近の宅地を基に計算した価格から、その土地を宅地として利用するために必要な造成費相当額を差し引いた評価」が鑑定評価の一つです。
 不動産の価格は、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用を前提として把握される価格を標準として形成されます。これを「最有効使用の原則」といいます。 (不動産鑑定評価基準4章)

1929年 🇺🇸ニューヨーク株式市場で株価暴落 (世界恐慌)
1931年 🇯🇵高橋是清蔵相の金輸出禁止→綿織物輸出拡大 (イギリスを抜き世界第1位へ)、同年には柳条湖事件 : 満州事変
1933年 🇺🇸F.ローズベルトのニューディール政策
1936年 🇬🇧ケインズの有効需要の原理
    🇯🇵二・二六事件 (高橋是清の暗殺)

 限界効用とか、有効需要とかはケインズの「雇用・利子および貨幣の一般理論」に出てきます。
 不動産の鑑定評価によって求める価格は、基本的には正常価格です。これは前回の地価公示法で出てきました。この他、鑑定評価の目的により、限定価格、特殊価格などがあります。

鑑定評価によって求める価格 (不動産鑑定評価基準5章)
正常価格 市場性を有する不動産について、現実の社会経済情勢の下で合理
的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう市場価格
を表示する適正な価格のこと
限定価格 市場性を有する不動産について、不動産と取得する他の不動産と
の併合または不動産の一部を取得する際の分割等に基づき、正常
価格と同一の市場概念の下において形成されるであろう市場価値
と乖離することにより、市場が相対的に限定される場合における
取得部分の当該市場限定に基づく市場価値を適正に表示する価格
のこと
特定価格 ・市場性を有する不動産について、法令等による社会的要請を背
 景とする鑑定評価目的の下で、正常価格の前提となる諸条件を
 満たさないことにより正常価格と同一の市場概念の下において
 形成されるであろう市場価値と乖離することとなる場合におけ
 る不動産の経済価値を適正に表示する価格のこと
・例えば、民事再生法に基づく評価目的の下で、事業の継続を前
 提とした価格や、早期売却を前提とした価格を求める場合など
特殊価格 ・文化財等の一般的な市場性を有しない不動産について、その利
 用現況等を前提とした不動産の経済価値を適正に表示する価格
 のこと
・文化財の指定を受けた建築物・宗教建築物などについて、保存
 等に主眼をおいた鑑定評価を行う場合などに適用する

・合理的な市場 : 市場統制がない公開の市場で、需要者及び供給者が売り急ぎ、買い進み等特別の動機によらないで行動する市場を言います。
・限定価格 : 例えば、借地権が設定されている土地について、借地権者が底地を購入する場合と、第三者が購入する場合とでは、市場で形成される価格が異なります。
・乖離 : かけ離れていることです。
※限定価格を求める場合の例としては
 i) 借地権者が底地を購入する場合
 ii) 隣接する不動産を購入する場合
 iii) 経済合理性に反して不動産を分割して売却する場合
 などがあります。「原野商法」などでは、1筆の原野を分筆して分譲が行われました。1筆の土地を宅地造成して分筆することは現在でも行われていますが、「原野商法」ではガス・上下水道・道路・公共交通機関などの未整備が問題となるのです。当時の購入者・相続人は全国に散らばって連絡もつかず…

試算・留意事項

 前回の地価公示法でも取り上げた表ですが、再掲します。

鑑定評価
手法 試算価格 着目点
取引事例比較法 比準価格 近傍類地の取引価格から算定される推定の価格
収益還元法 収益価格 近傍類地の地代等から算定される推定の価格
原価法 積算価格 同等の効用を有する土地の造成に要する推定の
費用の額

 同じく前回の地価公示法第四条を再掲します。
(標準地についての鑑定評価の基準)
第四条 不動産鑑定士は、第二条第一項の規定により標準地の鑑定評価を行うにあたつては、国土交通省令で定めるところにより、近傍類地の取引価格から算定される推定の価格、近傍類地の地代等から算定される推定の価格及び同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額を勘案してこれを行わなければならない。
 →最後のほう、「いずれか」を勘案して… とは書いてありません。全て勘案するのです。
 一方、一般の不動産鑑定評価では、対象不動産の種類、所在地の実情、資料の信頼性等により、複数の鑑定評価の手法の適用が困難な場合でも、その考え方をできるだけ参酌するように努めるべき (不動産鑑定評価基準第8章第7節)と、努力目標になっています。

(1) 試算にあたっての留意事項
①事例の収集及び選択 (評価基準第7章第1節)
 原価法の適用にあたっては建設事例が、取引事例比較法の適用にあたっては取引事例が、収益還元法の適用にあたっては収益事例が必要ですが、これら取引事例等は、鑑定評価の各手法に即応し、適切にして合理的な計画に基づき、豊富に秩序正しく収集・選択すべきであり、投機的取引であると認められる事例等は、次の要件の全部を備えるもののうちから選択します。

1.近隣地域または同一需給圏内の類似地域 (必要やむを得ない場合には近
 隣地域の周辺の地域) に存在する不動産、または同一需給圏内の代替競
 争不動産に係るものであること
2.取引事情が正常なもの、または正常なものに補正できること
3.時点修正が可能なこと
4.地域要因の比較及び個別的要因の比較が可能であること

 1.に出てきた「同一需給圏」とは、「不動産の価格を求める対象不動産と代替関係が成立して、その価格の形成について相互に影響を及ぼすような関係にある他の不動産の存する圏域をいう。不動産の種類、性格及び規模に応じた需要者の選好性によって、その地域的範囲は狭められる場合もあれば、広域的に形成される場合もある。」と、言葉上の定義ではこうなるのですが、イメージとしては、『士』業で成功にトライアル中様の鑑定理論(不動産鑑定評価基準)の理解の助けに?②地域分析編をご覧下さい。『士』業で成功にトライアル中様、ありがとうございます。「路線価」のつかない原野などは鑑定不能であった筈なのですが…
 2.は「事情補正」が可能かどうかに関係します。取引事例等に係る取引等が特殊事情を含み、これが当該取引価格等に影響を及ぼしているときは、適切に補正しなければなりません。そして、補正が可能なら取引事例として用いることができるのです。例えば、相続・転勤等により、売り急いで取引されたときは「増額補正」、投機目的で買い進んで取引されたときは「減額補正」が行われます。
 3.の「時点修正」は取引事例等の取引時点が「価格時点」と異なり、その間に価格水準に変動があると認められる場合は、取引事例等の取引価格を、価格時点におけるものに修正しなければなりません。
 4.の「地域要因」と「個別的要因」とは、次のようです。
・地域要因の比較 : 用途的地域としての近隣地域において多数の事例が収集できない場合があります。この場合は同一需給圏内の離れた地域、つまり類似地域の事例だったり、または同一需給圏内の代替競争不動産に係る事例を収集することになります。この場合は、地域要因を比較しなければなりません。
 例えば、住宅地域の地域要因なら、日照・温度・風向等の気象の状態、街路の幅員、都心との距離・交通施設、上下水道・ガス等の供給・処理施設の状態、汚水処理場等嫌悪施設の有無、洪水・地滑り等の災害の危険性、騒音・大気の汚染・土壌汚染等の公害の発生の程度、各画地の面積・配置・利用の状態、街並みの状態、眺望・景観等の自然的環境の良否、土地利用に関する計画・規制の状態…
・個別的要因の比較 : 収集した事例に係る不動産と対象不動産との個別的要因 (間口であるとか、奥行であるとか…) の比較は必ず行わなければなりません。
 例えば、住宅地の個別的要因なら、地勢、地質、地盤、日照、通風、乾湿、間口、奥行、地積、形状、高低・角地その他の接面街路との関係、接面街路の幅員、交通施設との距離、商業施設・公共施設等との接近の程度、汚水処理場等嫌悪施設との接近の程度、上下水道ガス等の供給・処理施設の有無・その利用の難易、公法上・私法上の規制…

取引事例比較法

 取引事例比較法は、多数の取引事例を収集して、これら収集した取引価格に「事情補正」「時点補正」を行い、さらに「地域要因」「個別的要因」の比較を行って比準価格を求める方式です。
 不動産取引のない地域の不動産や、取引事例のない不動産 (神社・仏閣) には適用できません。

収集事例 ✕ 事情・時点補正 ✕ 地域・個別的要因の比較 = 比準価格

 取引事例比較法の適用に当たって必要な取引事例は、取引事例比較法に即応し、適切にして合理的な計画に基づき、豊富に秩序正しく収集し、選択すべきであり、投機的取引であると認められる事例等適正さを欠くものであってはなりません。

収益還元法

 収益還元法は、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めることによって、収益価格を求める方式です。賃貸用不動産あるいは賃貸以外の事業用不動産の価格を求める場合に、特に有効です。
 また、収益還元法は、文化財の指定を受けた建造物等の一般的に市場性を有しない不動産以外のものにはすべて適用すべきであり、自用の不動産といえども、賃貸を想定することにより適用されます。
 なお、市場における土地の取引価格の上昇が著しいときは、その価格と収益価格との乖離が増大するものであるので、先走りがちな取引価格に対する有力な験証手段として、収益還元法が適用されるべきです。

 収益還元法には、直接還元法とDCF法があります。
(1) 直接法
 一期間の純利益を、還元利回りで還元して収益価格を求める方法です。例えば、まず、1年間の総収入金額から、その収益を生み出すのに必要な経費を差引いて、1年間の純収益を求め、それを還元利回りで割れば、直接還元法による収益価格が求められます。

(総収入 - 収益を生み出すのに必要な総経費) = 収益価格
      還元利回り

・例えば、1年間の純収益が500万円、還元利回りを5%とすると、収益価格は1億円です。
・経費の例 : 各種税金、火災保険料、維持管理費など
・還元利回り : 国債・公社債の利回りを標準として、投資対象としての危険性、安全性を総合的に比較して求めます。
(2) DCF法
 連続する複数の期間を投資期間と想定して、その期間に発生する純収益及び復帰価格 (保有期間の満了時点における対象不動産の価格) を、その発生時期に応じて現在価値に割り引き、それぞれを合計して収益価格を求める方法です。
・例えば、賃貸マンションを投資期間5年間として購入する場合、その5年間に賃料等から得られる純収益と、5年後にその物件を売却した場合に想定される不動産の価格を、それぞれ現在価値に割り引き合計して、収益価格を求めます。

[問題2]
 不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、不動産鑑定評価基準によれば、正しいものはどれか。
1 不動産の価格は、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用を前提として把握される価格を標準として形成されるが、これを最有効使用の原則という。
2 収益還元法は、賃貸用不動産又は賃貸以外の事業の用に供する不動産の価格を求める場合に特に有効な手法であるが、事業の用に供さない自用の不動産の鑑定評価には適用すべきではない。
3 鑑定評価の基本的な手法は、原価法、取引事例比較法及び収益還元法に大別され、実際の鑑定評価に際しては、地域分析及び個別分析により把握した対象不動産に係る市場の特性等を適切に反映した手法をいずれか1つ選択して、適用すべきである。
4 限定価格とは、市場性を有する不動産について、法令等による社会的要請を背景とする鑑定評価目的の下で、正常価格の前提となる諸条件を満たさないことにより正常価格と同一の市場概念の下において形成されるであろう市場価値と乖離することとなる不動産の経済価値を適正に表示する価格のことをいい、民事再生法に基づく鑑定評価目的の下で、早期売却を前提として求められる価格が例としてあげられる。 (宅建士問題 平成30年-25)
[解答] 1
1 ○
 これは、最有効使用の原則をそのままコピペしたような問題です。上に記載さましたので比較して確認してみて下さい。[問題1]の下のほうにあります。
2 ✕
 自用の不動産といえども、賃貸を想定することにより適用されるものである。 (7章1節) とあります。
3 ✕
 複数の手法の適用が困難 → できるだけ参酌するよう努める。 (8章7節)ということで、いずれか1つではありません。
4 ✕
 「社会的要請を背景とする鑑定評価目的」→ 特定価格 (5章3節)
 本内容は、「特定価格」のもので、限定価格ではありません。

[問題3]
 不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、不動産鑑定評価基準によれば、正しいものはどれか
1 不動産の鑑定評価によって求める価格は、基本的には正常価格であるが、市場性を有しない不動産については、鑑定評価の依頼目的及び条件に応じて限定価格、特定価格又は特殊価格を求める場合がある。
2 同一需給圏とは、一般に対象不動産と代替関係が成立して、その価格の形成について相互に影響を及ぼすような関係にある不動産の存する圏域をいうが、不動産の種類、性格及び規模に応じた需要者の選好性によって、その地域的範囲は狭められる場合もあれば、広域的に形成される場合もある。
3 鑑定評価の各手法の適用に当たって必要とされる取引事例等については、取引等の事情が正常なものと認められるものから選択すべきであり、売り急ぎ、買い進み等の特殊な事情が存在する事例を用いてはならない。
4 収益還元法は、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めることにより対象不動産の試算価格を求める手法であるが、市場における土地の取引価格の上昇が著しいときは、その価格と収益価格との乖離が増大するものであるため、この手法の適用は避けるべきである。 (宅建士問題 平成28年-25)
[解答] 2
1 ✕
 市場性を有しない不動産を対象とするのは、特殊価格のみ (5章3節)
 特殊価格は、神社・仏閣など市場性を有しない建造物の価格です。
2 ○
 同一需給圏は、需要者により地域的範囲を異にする (6章1節)
 「同一」とは、地域的範囲が同一ということではありません。
3 ✕
 特殊な事情が存する事例も、適切に補正できれば採用可 (7章1節)
 取引事例等については、取引事例等に係る取引等の事情が正常なものと認められるもの又は正常なものに補正することが必要ですから、特殊な事情があるにせよ、適切に正常なものに補正できれば採用可です。
4 ✕
 取引価格の上昇が著しいときは、収益還元法を活用すべき (7章1節)
 収益還元法は、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めて、試算価格を求めるものです。
 一方、取引事例比較法は、多数の適切な取引事例を収集するのですが、直近のものもあれば、そうでないものもあります。だから、取引価格の上昇か著しいときに取引事例比較法を用いると、実際の取引価格に追い付かないことが起こり得るので、将来の取引価格を求めるには、収益還元法を活用すべきなのです。

 「原野商法」に引っ掛かった人は、将来土地を売るにせよ貸すにせよ、現地の確認をしないで購入したのでしょう。市街化調整区域内では、宅地の造成及び建物の建築はできませんし、接道義務 (道路に2m以上接していない土地) に違反していると「再建築不可」または「建築不可」です。だから、資産価値0円と言われるのですね。

原価法

 原価法は、対象不動産の価格時点における「再調達原価」を求め、これを「減価修正」して積算価格を求める方式です。

再調達原価 - 減価修正 = 積算価格

 再調達原価とは、対象不動産を価格時点において再調達することを想定した場合において必要とされる適正な原価の総額を言います。
 同一同等の材質を用いて、請負の形態による再調達を想定します (請負業者の利益も加算します)。なお、建設資材・工法の変遷があった場合は、対象不動産と同様の有用性を持つものに置き換えて求めた原価 (置換原価) を、再調達原価とします。
 要するに、今同じものを造るといくら必要か?たいうことで、古墳てあるとかピラミッドであるとか… 色々想像できますね。

 減価修正における減価の要因には、次のものがあります。
・物理的減価 : 使用によって生ずる摩滅、破損、老朽化等
・機能的減価 : 形式の旧式化、設備の不足等
・経済的減価 : 高層ビル街の中の木造店舗等、環境に適合していない建築物等

種 別 法  定
耐用年数
償却率 非事業用建物の場合
(1.5倍)
耐用年数 償却率
木造  20年 0.046  33年 0.031
木造モルタル造
(鉄骨)鉄筋コンクリート造
 20年
 47年
0.050
0.022
 30年
 70年
0.034
0.015


骨格材の肉厚3㎜以下
同3㎜超4㎜以下
同4㎜超
 19年
 27年
 34年
0.052
0.037
0.030
 28年
 40年
 51年
0.036
0.025
0.020

 分譲マンションなどでは、建物については原価法を、敷地については造成・整地は原価法、その他は取引事例比較法あるいは収益還元法を適用することになるでしょう。
 原価法   取引事例比較法・収益還元法
  🏢 (造成・整地)    敷地    

[問題4]
 不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、不動産鑑定評価基準によれば、誤っているのはどれか。
1 不動産の価格を求める鑑定評価の基本的な手法は、原価法、取引事例比較法及び収益還に大別され、原価法による試算価格を積算価格、取引事例比較法による試算価格を比準価格、収益還元法による試算価格を収益価格という。
2 取引事例比較法の適用に当たって必要な取引事例は、取引事例比較法に即応し、適切にして合理的な計画に基づき、豊富に秩序正しく収集し、選択すべきであり、投機的取引であると認められる事例等適正さを欠くものであってはならない。
3 再調達原価とは、対象不動産を価格時点において再調達することを想定した場合において必要とされる適正な原価の総額をいう。
4 収益還元法は、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めることにより対象不動産の試算価格を求める手法であり、このうち、一期間の純収益を還元利回りによって還元する方法をDCF (DiscountedCashFlow) 法という。 (宅建士問題 平成19年-29)
[解答] 4
1 ◎
 即答で◎ → 確認
2 ◎
 即答で◎ → 確認
3 ◎
 即答で◎ → 確認
4 ✕
 これは、直接還元法の説明ですので誤りです。

不思議の国のアリス~ドイツ語
英:Alice opened the door and found that it led into a small passage, not much larger than a rat-hole: she knelt down and looked along the passage into the loveliest garden you ever saw. How she longed to get out of that dark hall, and wander about among those beds of bright flowers and those cool fountains, but she could not even get her head through the doorway; 'and even if my head would go through,' thought poor Alice, 'it would be of very little use without my shoulders. Oh, how I wish I could shut up like a telescope! I think I could, if I only know how to begin.' For, you see, so many out-of-the-way things had happened lately, that Alice had begun to think that very few things indeed were really impossible.
独:Alice schloß die Thür auf und fand, daß sie zu einem kleinen Gange führte, nicht viel größer als ein Mäuseloch. Sie kniete nieder und sah durch den Gang in den reizendsten Garten, den man sich denken kann. Wie wünschte sie, aus dem dunkeln Corridor zu gelangen, und unter den bunten Blumenbeeten und kühlen Springbrunnen umher zu wandern; aber sie konnte kaum den Kopf durch den Eingang stecken. „Und wenn auch mein Kopf hindurch ginge,“ dachte die arme Alice, „was würde es nützen ohne die Schultern. O, ich möchte mich zusammenschieben können wie ein Teleskop! Das geht gewiß, wenn ich nur wüßte, wie man es anfängt.“ Denn es war kürzlich so viel Merkwürdiges mit ihr vorgegangen, daß Alice anfing zu glauben, es sei fast nichts unmöglich.

まとめ

 瑕疵ある意思表示~錯誤・詐欺・強迫で詐欺のお話が出ましたが、詐欺師の「故意」を立証することは結構難しいのです。これは二段階で立証する必要があります。例えば、水道設備のない土地に水道設備を設置するという契約で、○○万円支払ったのに一向に設置されない詐欺では
①水道設備を設置するという話で、被害者を錯誤に陥れる故意
②その錯誤に基づいて、被害者に代金を支払わせる故意
 の二段階を被害者は立証しなくてはなりません。
 要は、怪しいなと思ったら、支払わなければ良いのです。Click Fix詐欺の場合も同様です。怪しいサイトなら、クリックしなければ良いのです。「ロボット🤖ですか?」の□チェックはしませんように…